見た目を美しく

減塩を成功させる5原則でひとつめは、だし汁を利用する、ふたつめは酸味を利用する、3つめは「香りを利用する」で、4つめは「刺激を利用する」でしたが今回は、5つめの最後の原則で「見た目を美しく」です。

料理をおいしく食べるには、味のよさ、素材のよさなどはもちろんですが、「見た目のおいしさ」に気を配ることも大切です。あまり好みの素材でなくてもきれいに盛り合わせてあると食欲がわいてくるのはそういった影響でしょう。

素材の色合わせ

料理ができあがっていざ食卓に並べてみたら、ご飯は白、みそ汁は茶色、焼き魚も茶色、煮物も茶色で白と茶色づくし…といったこともあります。
これでは見た目からおいしそうなイメージがわきません。料理には、色彩も大切な要素です。たくさんの色が食卓に並ぶようにしたいものです。基本となるのは、白、赤、緑、黄、茶の5職です。

  • 白…ご飯、パン、うどん、大根、もやし、白身魚、いか、豆腐
  • 赤…とまと、赤ピーマン、まぐろ、かつお、えび
  • 緑…ほうれんそう、にら、ピーマン、レタス、キャベツ、きゅうり
  • 黄…卵、コーン、にんじん、かぼちゃ
  • 茶…芋、みそ汁、肉や魚

素材とは別に薬味なども彩りを添えるのには役立ちます。紅ショウガ、はじかみの赤、青ネギ、青じそなどの緑、柚コショウの皮やレモンの黄色といった感じです。

包丁さばき

肉や魚はステーキ用、切り身、刺身用などと購入時点ですでに切られているものがあります。野菜などは自分で切るものがほとんです。千切り、くし切り、柏木切り、ざく切り、いちょう切りなど基本となる切り方を多様することでかなり見た目にも変化が生まれます。煮物などの面取りをすると煮くずれを防ぐことができ、見た目にも美しいものができます。

盛りつけ

せっかくの料理も盛りつけが雑では台無しです。おいしい盛りつけというのは、ちょっとした気配りと色の合わせ方でずいぶん差がでます。まぐろの刺身を白い皿にのせるだけでは素っ気ないものになってしまいますが、大根とにんじんのツマを盛りつけ、そこにたてかけるように青じその葉を置き、その上のまぐろを盛りつけるだけで白、黄、赤、緑、と色彩が豊かになります。

平皿に盛る素材は、絵を描くように、深皿に盛る素材は、立体的になるように盛ると美しく仕上がります。

刺激を利用する

減塩を成功させる5原則でひとつめは、だし汁を利用する、ふたつめは酸味を利用する、3つめは「香りを利用する」でしたが今回の4つめは「刺激を利用する」です。

塩、醤油、みそなどに加えてわさびやからし、トウガラシ、カレー粉などのちょっとした辛味やスパイスをきかせて味付けをする方法もあります。風味や香りで食欲が増進する効果もあります。

わさび

わさびの主な用途は、生の魚介類などを食べるときの薬味です。これはわさびに殺菌力や防腐力、魚の生臭さ消す効果があるためですが、魚の味を引き立てる役割も担っています。
わさびの風味とほんのり醤油の風味が一緒になるととてもいい香りです。生のわさびを使うと一層効果的です。おろしたてをすぐに食べるのが一番です。きめ細かにおろすには、葉のついていた方から鮫皮おろしで「の」の字を書くようにおろすといいでしょう。

からし・マスタード

からしはアブラナ科のカラシナの種子を粉末にしたもので、マスタードは西洋カラシナの種子を粉末にしたものです。和がらしと洋がらしと区別します。両方とも水で溶き、練ったものが市販されていますが、マスタードの方は種子を混ぜた粒マスタードもあり風味がよくほどよいつぶつぶ感が美味しいです。
からしには、わさび同様に殺菌力や防腐力がありますが、からしの辛味成分には揮発性があるため、わさびが鼻にくる辛さなら、からしは目にくる辛さといったところです。
定番のおでんや、豚の角煮、とんかつなどにつけて食べたり、ドレッシングの隠し味やしょうゆと合わせて和え物、漬け物などにも使われます。

唐辛子

唐辛子は世界各国の料理で活躍する調味料です。中国や韓国では多種多様な唐辛子料理がありますが、それに比べると、日本は漬け物、炒めものに少々使う方法が一般的です。唐辛子に含まれる辛み成分に体内脂肪を燃焼させる効果があることがわかってからは、人気のダイエット食品にもなりました。パスタのペペロンチーニにも欠かせません。

市販されているものが乾燥させたものがほとんどですが、外皮より種の成分が辛いので通常は種を除いて使用します。また、小口に着られているものも使いやすく便利です。生の唐辛子は大きいものより、小さいもののほうが辛味が強くなります。一味唐辛子や七味唐辛子も含め、炒めもの、煮物など幅広く活用したいところです。

カレー粉

カレー粉は辛味材料の唐辛子からからし、着色材料のターメリック、香り材料のコリアンダーやクミンなど、様々な香辛料を混ぜたものです。カレーだけでなく炒めもの、揚げ物などに利用できます。

香りを利用する

減塩を成功させる5原則でひとつめは、だし汁を利用する、ふたつめは酸味を利用するで今回の3つめは「香りを利用する」です。ダイニングでいい香りがしてくるだけで幸せな気持ちになるのは誰でも一緒です。減塩に関しても香りを上手に活用することで薄味にしても満足感がでます。

香草

ねぎ

ねぎには、わけぎ、あさつき、長ネギ、万能ネギといった種類があります。うどん、そばなどの薬味としてはもちろん、長ネギは料理の素材としても使われます。白髪ネギにすれば香りもシャキシャキとした歯触りもよく、煮込む場合には、甘みや旨味も楽しめます。冬の鍋にネギはかかせません。

しそ

しそは、芽・葉・実の全てが利用できる香味野菜です。青じそと赤じそがありますが、料理に多く使われるのは青じそです。薬味、あしらい、刺身のつま、様々に利用できます。

みょうが

独特の香りとにがみを持つみょうがは、日本でしか食べられません。薄切りにして薬味にするほか、みそ汁やチャーハンの具にしてもおいしく食べられます。ねぎど同じくしゃきしゃきとした歯触りを楽しめます。

その他

ごま

ごまは色により黒ごま、白ごま、茶ごまに分類されます。粒のまま、またはいりごま、すりごま、練りごま、むきごまとして使います。きんぴらやお浸しにふりかけたり、おにぎりにも入れたりします。ちょっと火で炒ってから使うと一層香りがたちます。ペースト状のものをそのままドレッシングに使うこともできます。香りと風味を存分にいかすことのできる食材です。

しょうが

しょうがには強い香りと辛味が特徴です。魚や肉の臭みを消す効果が定番ですが、薬味としても活躍の場は広くおろしたり、刻んだりして香りと風味を楽しむことが出来ます。調味料的な役割で使うこともできます。

にんにく

にんにくは、香りというようりも「におい」といった表現の方が適切です。ちょっと食欲のないようなときににんにくを炒めた香りで食欲がでてくることもあります。生のにんにくをすりおろしたり、つぶしたり、スライスするなどして使います。スープなどにもよく合います。