漢方医学では、まず全身の調和を整えることに主眼をおいて治療していくのが最大の特徴です。病院で通院しても、なかなか症状がよくならない人は一度、漢方薬を検討するといいでしょう。症状も大切ですが、体全体が健康になるよう処方します。
血圧の安定化は、その治療の結果によるものと考えます。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、体に偏在する熱を冷ますことによって血圧を下げる漢方薬。汗かきで、顔が赤らんでいて、のぼせやすい、さらにイライラして眠れない、鼻血が出たり、目が充血するなどこうした傾向はを伴う高血圧は、まず体内の余分な熱をとり除くことが治療の基本となります。
比較的体力があり、のぼせぎみで、イライラする傾向があるような人に向く薬とされ、高血圧に随伴する不眠症、神経症に用いられます。
また、「黄連解毒湯」は、精神症状に対しても用いられ、ストレスのかかわりが大きい動悸(心臓神経症)や胃炎症状などの治療にも有用です。また、イライラすると悪化しやすい皮膚のかゆみの改善にも、用いられることがあります。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を構成している黄連(おうれん)、黄ごん、黄柏(おうぱく)、山梔子(さんしし)の4つの生薬すべてが解毒の薬効をもっています。
そのため、黄連解毒湯は、赤ら顔でのぼせやすい体質の人に用いられます。