過剰な塩分摂取を防ぐ8つのポイントと料理で塩分を減らす大事な6項目

それをかける前にまずは味見を

料理を食べる前にすぐに醤油やソースをかけてしまう習慣の人がいますが、まずは味見をしてから。これは減塩に大切なポイントです。
しょうゆ、ソースは、料理の味を引き立てるすばらしい調味料ではりますが、塩分をたくさん含んでいることも忘れてはなりません。
減塩を行うにあたっては、長くついていしまった習慣をかえていくことも重要なポイントです。
しょうゆやソースをかけるのは、まずは、味見をしてからです。

刺身や寿司のしょうゆは控えめに

寿司や刺身を食べる際には、普段より多くの醤油をつけてしまっていることに気づいているでしょうか?おいしいそのものの素材の味を楽しむには、醤油を控えめにします。刺身や寿司は、わさびを気持ち多めにつけることで醤油を減らすことができます。
天ぷらなどは、塩をかけて食べるとおいしいのですが、塩よりは天つゆが減塩になります。

みそ汁はお椀を小さめにする

日本人であればみそ汁の存在は大きく、味噌の風味を楽しみたいもの。みそ汁は1杯飲むと、1.5g程度の塩分摂取になりますが、お椀を小さいお椀に変えることでかなり減塩になります。

麺類の汁は必ず残す

麺類は手軽に食べられるせいか、日常的に食べる機会が多いものです。汁を全部飲み干してしまうと1杯で5gにもなります。インスタント麺やカップ麺も同様です。スープを飲み干してしまえば塩分をすべてからだの中に取り込んでしまうことになります。具は全部食べて、汁は残すようにします。

ご飯のみの主食は塩分過多になる

ご飯には佃煮や塩鮭、漬け物などがよく合いますが、減塩をしている人にはやはり大敵です。箸休め程度に少しだけ食べるようにし、小皿に少しだけ盛りつけるようにします。

見た目以上に塩分が多いソーセージやハムといった加工食品

朝食にベーコンやハムを食べる習慣がついている人は意外にも多いのですが、ハムやソーセージなどの肉の加工食品は想像以上に塩分が多いのです。1日おきに食べるなどの工夫をします。

料理方法で差がでる

同じ食材でも、調理の仕方で使う塩分の量をカットすることができます。卵であれば、茶碗蒸しよりもオムレツのほうが減塩です。肉料理であれば、すきやきよりもとんかつやシチューの方が減塩です。

旬の素材、新鮮な食材を使う

食材には、食べるに最も適した時期、おいしい時期があります。こうした旬の食材を食べることにより、そのものの風味や香りを楽しむことで、結果減塩になります。
旬の野菜などは、調味料を使わなくてもおいしく食べることもできます。

料理で減塩をするポイント

料理で減塩を成功させる大事な6つの大事なポイントです。この6つを上手に活用できれば減塩は成功しやすいです。

食材を豊富に使うことは減塩によい

食塩摂取量の目安は1日10g以内

高血圧の大敵である塩分ですが、塩分の摂取が過剰になると、体内のナトリウム濃度が増し、それを薄めようとして水分が血液中に引き込まれます。このため、循環血液量もアップし、血圧が上昇します。

では、塩分を全く摂らなければ、健康になれるのでしょうか?これは間違いです。食塩はナトリウムと塩素からできていますが、ナトリウムは体内の水分調節や血液濃度をコントロールするのをはじめ筋肉の収縮、神経の刺激伝達にかかわり、さらに塩素は胃液の塩酸をつくるなど生命維持には欠かせません。
1日に3~5gは必須です。

日本人はもともと主食が米であることから、塩分を多めにとってしまう生活習慣が身に付いてしまっています。また、しょうゆや、味噌といった調味料も欠かせません。3~5gでは味の満足感が得られないために10g以内と定めています。

偏食は、体が塩漬けに

日本人の平均食塩摂取量は13g前後です。健康的な適正量をオーバーしてしまっています。どんぶりものを食べたり、塩分の濃いおつまみを食べたり、外食が多いとどうしても塩分摂取は増えてしまいます。
10gはラクラク越えてしまうのです。
さらにスナック菓子やカップ麺などは塩分が多いため食事以外でも塩分を摂取しすぎる傾向にあるのです。また、そのことを自覚しないことが本来の問題なのです。

充実した食事は、4つの食品群からとる

これだけ食べ物があふれている中から何をどのくらい、どう組み合わせればいいのかは、難しい問題です。まず4つの食品群についてみていきましょう。

  • 第1群…卵、牛乳、乳製品
  • 第2群…肉、魚、貝類、豆、豆製品
  • 第3群…緑黄色野菜、淡色野菜、芋類
  • 第4群…穀物、調味料(砂糖、油)

第1群は完全栄養食品といわれる、卵、カルシウム豊富な牛乳・乳製品グループ。第2群は、主菜となる食品グループでたんぱく質の供給源です。肉や魚の動物性たんぱく質と、豆腐や納豆などの植物性たんぱく質をバランスよくとります。
第3群はビタミンやミネラル食物繊維などの供給源となり、第4群はご飯、パン、麺類などの主食となるエネルギー源になります。
特定のグループに偏らずに各グループからバランスよく摂取します。

果物や野菜のカリウムで血圧上昇にブレーキ

充実した食生活への改善は自然と減塩に導きます。同時に意識的にたっぷりとりたいのがカリウム。野菜や果物に含まれます。摂りすぎた塩分を体外に排出してくれる大切な栄養素です。
水に溶けやすく調理の加熱によって損失しやすいので生食が基本です。
ただし、減塩をしなければならない病気をかかえている際にカリウムを制限しなくてはいけない病気もありますので医師と相談の上実行するようにしましょう。

1日に食べたい食品の目安(成人のエネルギー16000キロカロリー)

 
食品
主な食品
目標摂取量
特徴
第1群
鶏卵・うずら卵 鶏卵1個または、うずら卵5個 必須アミノ酸のバランスが整った食品。
牛乳・乳製品 牛乳・チーズ・ヨーグルト 牛乳コップ1杯(140g)
と無糖ヨーグルト135g
カルシウムやビタミンA、B2が多く含まれている。
第2群
肉類 鶏ささみ・鶏レバー・豚ひれ肉・牛もも肉・挽肉・ロースハム 60g 良質のたんぱく質源となるが脂身は油脂のかたまりとなるので控える。
魚介類 あさり・いか・えび・たら・かれい・まぐろ赤身・あじ・鮭 70g ビタミンA、B1、B2、鉄、カルシウムも多い。
豆・豆製品 豆腐・湯葉・枝豆・かんもどき・厚揚げ・納豆・きなこ 豆腐3/1丁(100g)または納豆1パック 植物性たんぱく質の宝庫。
第3群
淡色野菜 きゅうり・白菜・レタス・大根・きゃべつ・ねぎ・玉ねぎ・ごぼう   ビタミンや、ミネラル、食物繊維が多く含まれる。余分な塩分を体外に排泄してくれるカリウムなども豊富。生でも煮ても良いが、量を食べる場合には、煮物やシチュー、お浸し。
緑黄色野菜 小松菜・ほうれん草・にんじん・ブロッコリー・かぼちゃ 100g
海藻・キノコ類 わかめ・ひじき・のり・しいたけ・しめじ・かぼちゃ 1品~2品
芋類 里芋・長いも・じゃがいも・さつまいも じゃがいも中1個(100g)または里芋小3個(135g)
果物 いちご・桃・グレープフルーツ・みかん・りんご・ぶどう・キウイ みかん小3個(200g)またはリンゴ小1個(160g)
第4群
穀類 ご飯・うどん・そば・パン・スパゲッティー・コーンフレーク ご飯小茶碗3杯(330g)と6枚切りパン1枚(60g) 日常生活に必要なエネルギー
砂糖 砂糖・みりん・水飴・ジャム・はちみつ・メープルシロップ 小さじ7杯 栄養素は糖質のみ。調味料として活用。
油脂 植物油・バター・マーガリン・マヨネーズ・生クリーム 小さじ4杯 ビタミンA、D,Eの吸収を助ける。

塩分量が健康の決め手(塩梅)

ストレス社会、高齢化社会を反映して健康への関心は高まる一方です。しかし、それとは相反するかのように、外食が日常的になり、加工食品やインスタント食品も氾濫しています。そのためか、脂肪、食塩、そして食品添加物を過剰に摂取してしまっているのが現状です。
これらが原因となって生活習慣病、高血圧、動脈硬化で悩む人々も増加しています。

なかでも塩分の摂りすぎは、高血圧の原因となりその結果、心筋梗塞、動脈硬化、不整脈とさまざまな病気の引き金となっています。
ここで問題なのは、塩辛さに対する反応がそれぞれだということです。
同じ料理を口にしても、味気ないと感じる人と、濃い味付けだと感じる人がいるのです。味の濃いものを食べ続けてしまうと、舌の塩分濃度に対する敏感さがどんどん低下してしまうのです。

物事の程合いや体の具合をさす「塩梅」は塩と梅酢でほどよく味付けする意味の「塩梅」から生まれた言葉でもります。塩は味付けだけなく健康の要だということを忘れてはいけません。