奈良時代から親しまれてきた栄養豊富な「柿」
「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」という有名な句にうたわれているとおり、柿は秋の味覚の代表とされてきました。柿の収穫期は9月下旬から12月上旬ですから、まさに実りの秋を代表する果実といえるでしょう。
日本人と柿のつきあいは大変に古く、弥生時代前期の遺跡から柿の種の破片が発掘されているほどです。奈良県の藤原宮跡からも多数の柿の種子が発掘されているし、当時すでに柿が商品として流通していたことを記す文献も発見されています。
柿は、奈良時代からわれわれ日本人にとって身近な食品だったのです。そんな柿は、「柿が赤くなれば医者が青くなる」というナことわざがあるように古くからから健康にいい果物とされてきました。では、柿にはどのような成分が含まれているのでしょうか。
まずあげられるのが、豊富なビタミンAとビタミンCです。
ビタミンAには肌や髪の健康を保つ効果が、ビタミンCには疲労回復や免疫力(病気から体を守る力)アップの効果が認められています。
甘柿に含まれるビタミンCは100 gあたり約70 mgこれは温州みかんの約2倍の量です。成人に1日に必要なビタミンCの量は100 mgですので、大きめの柿食べれば十分です。
ビタミンA は、柿100 g当たりに約420μグラムまれています。これはプルーンに匹敵する量です。ちなみにビタミンAの1日当たりの必要量は、成人男性で1日750μグラム、成人女性は600μグラムなので、いかに柿にビタミンAが多いかがわかります。
柿に含まれるカロテン(色素成分の一種)は、体内で一部がビタミンA に変化します。ビタミンAに変化しないで残るカロテンには強力な抗酸化力(活性酸素を地除去する力)があり、動脈硬化や心臓病、脳梗塞などの予防に大きな効果が期待できます。
血圧を下げる成分も豊富
ビタミン類のほかにもカルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル(無機栄養素)も豊富です。
中でもカリウムの量はずば抜けて多く、170 mgにもなります。これは甘柿に含まれる量ですが、干し柿にすれば、なんと670 mgにも増加します。これほどカリウムを含んでいる食べ物はほとんどありません。
カリウムには利尿作用があり、過剰なナトリウムを排出する働きをするので、血圧を下げる効果が大きいのです。柿は、高血圧の予防や改善にうってつけだといえるでしょう。
さらに、柿の渋み成分であるタンニンにも、血圧を下げる効果があることがわかっています。
タンニンは、ポリフェノールの一種。多くの植物に含まれていますが、特に柿のタンニンには優れた働きがあります。
具体的には、柿のタンニンには毛細血管の透過性を正常に保つ働きがあります。そのため、血液が血管内をスムーズに流れるようになり、血圧を下げるのです。
この柿のタンニンの働きと、カリウムが持つ利尿作用との相乗効果によって、柿の血圧を低下させる効果は、より大きくなるのです。
しかし、タンニンはとりすぎると便秘になったり、鉄分の吸収を妨げ、貧血になりやすくなるので注意が必要です。もっとも、普通に柿を食べる程度なら、問題はありません。
以上のように、柿には私たちの健康を維持・改善してくれる成分が豊富に含まれています。
柿を選ぶ時のポイントは、ヘタがピントしているのもの。皮はつやつやとして全体的に濃いだいだい色をしているものがよいでしょう。
柿に含まれる有効成分
- ビタミン類
- ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB1、B2、Kなど
- ミネラル類
- カルシウム、マグネシウム、カリウム、リンなど
- 色素成分
- タンニン
「柿」は豊富に栄養分を含む果実ですが、お酢にした柿酢はさらに柿の良い面を引き出してくれます。 発酵させるとアミノ酸・ミネラル・ビタミンなどの有効成分たっぷりの柿酢に生まれ変わります。果実酢の中でも柿酢は、体質改善の力が大変強いのが特徴です。
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[…] 柿は血圧を下げる作用もあり、降圧食としても非常に有効です。 […]