高血圧の知識

クモ膜下出血 脳動脈硬化症 脳血管性痴呆 高血圧が原因の合併症

クモ膜下出血 脳動脈硬化症 脳血管性痴呆

クモ膜下出血 脳動脈硬化症 脳血管性痴呆 高血圧が原因の合併症 です。 クモ膜下出血 は、脳を覆っている組織(髄膜)の内側層(軟膜)と中間層(クモ膜)との間にあるすき間(クモ膜下腔)への出血です。 最も多い原因は、動脈のこぶ(動脈瘤)の破裂です。

脳動脈痛が破裂して起こる「 クモ膜下出血 」

脳や脊髄を包む 髄膜 は 硬膜 クモ膜 軟膜 という三層の膜からなっています。クモ膜 と軟膜の間を クモ膜下腔 といいます。

クモ膜下出血 とは、このクモ膜下腔に出血する痛気で、脳動脈痛という一種のこぶの破裂や、脳動静脈奇形などによって起こります。

奇形からの出血は20〜40歳に多く、高血圧とは関係ありませんが、40〜60歳に多い脳動脈癌の破裂は、高血圧が引きがねになります。

脳卒中全体の 10 % ぐらいが クモ膜下出血 です。

突然、はげしい頭痛、特に後頭部の頭痛が起こり、くびが硬直して足が突っ張り、吐きけや嘔吐も伴います。重い場合は発作後間もなく死亡することもありますが、出血した動脈癌に金属のクリップをかける手術により、完全に再発を抑えられることもあります。

手術のできない場合は、鎮痛薬、止血薬 降圧薬 脳圧降下薬 などを用いますが、内科療法だけでは再出血することもあります。

頭痛 めまい 耳鳴り など、多彩な症状が起こる 「 脳動脈硬化症 」

脳動脈硬化のために 頭痛 頭重 めまい 立ちくらみ 耳鳴り 手足の冷えやしびれ、肩こり 不眠 物忘れ など、多彩な症状が起こる病気です。

高齢で 高血圧 の人に多く起こるものの、血圧が高くなくても起こる場合があります。糖尿痛も脳動脈硬化を促進させます。

血圧のコントロールが大事なので、 降圧薬 を使うことが多いのですが、ほかにふかつも 脳循環改善薬 や 脳代謝賦括薬 を使ったり、症状をとり去るために対症療法を行ったりします。

対症療法ではこれらの薬のほかに漢方薬も用いられ、効果が認められることがあります。

脳動脈硬化のせいで物忘れがひどくなる 「 脳血管性痴呆 」

脳動脈硬化によって痴呆が起こる病気です。老化とともに起こる痴呆の中には、いろいろのタイプがありますが、日本人に多いのはこの 脳血管性痴呆 で、多くは脳卒中 の後遺症として起こります。50〜60代で始まることが多く、記憶力障害、つまり物忘れを中心とした痴呆です。

物忘れの中でも、最近のできごとはよく忘れるのに、計算力は確かなことが多いなど、どこかちぐはぐな印象があります。

物忘れだけでなく、鬱状態になり、気分が落ち込んでしまうこともあります。また、 片マヒ や ケイレン などを伴うこともあります。人格は初めのうちは保たれていますが、末期には崩壊します。治療には 脳血管拡張薬 脳代謝賦活薬 抗ウツ薬 向精神病薬 などを用います。

脳出血 高血圧が原因の合併症

脳出血 高血圧が原因の合併症

脳出血 高血圧が原因の合併症 脳出血とは、 「 脳卒中 」 の症状のひとつです。 脳に張り巡らされた血管に障害が起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴い、半身の麻痺などが起こります。 脳出血の直接の原因は、文字通り 「 出血 」 です。

脳出血 高血圧が原因の合併症

脳出血 高血圧が原因の合併症

高血圧が原因で発作の引き金になることも

高血圧 の恐ろしさは、血圧の高さそのものよりは、むしろ、 高血圧 に伴って血管障害が起こる点にあります。

とりわけ、脳血管、心血管、腎血管に起きる障害は健康に重大な影響を及ぼしますが、ほかにも大動脈や四肢の動脈の障害が問題になることもあります。

脳血管障害は、戦後間もなくから側年まで、ずっと日本人の死亡原因のトップだったほど多い病気で、現在でも死因の第三位を占めています。

この中で圧倒的に多いのが、突然、発作が起こる 脳卒中 です。 脳卒中 には、脳の血管が破れる脳出血のほか、脳の血管が詰まるために障害が出る脳梗塞、一時的に脳の血流不足が起こる 一過性脳虚血性発作 ( TIA ) 、クモ膜下腔に出血が起こる クモ膜下出血 があります。

脳卒中以外の脳血管の病気には脳動脈硬化症と、脳動脈硬化のために痴呆になる脳血管性痴呆があります。脳卒中の中で最も高血圧との関係が深いのが、脳内の血管が破れる脳出血です。

脳出血の大部分は、動脈硬化の起こった脳内の細動脈が高血圧を引きがねにして起こりますが、細動脈硬化の原因となるのが、老化と高血圧なのです。しかし、高齢者に多いとはいっても、著しい高血圧だと20代の若さでも起こすことがあります。

多くは前触れもない突然の発作

脳出血 の起きやすいのは、大脳半球のやや深い部分の被殻出血、視床出血などと、脳の表面に近い皮質下出血ですが、小脳などに起きることもあります。

多くはあまり前ぶれもなく、意識を失うとか、はげしい頭痛や嘔吐といった症状で発症します。手足や全身のケイレン、体の半身が動かなくなる片マヒが症状の中心であることもあります。

脳出血 が起きると、血腫と呼ばれる血のかたまりとなるほか、血腫のまわりに水分が集まり、浮腫の水ぶくれ)ができます。出血量が多いと血腫も浮腫も大きくなって脳全体を圧迫し、脳全体の機能が失われて死に結びつきます。

出血が脳室という髄液で満たされた部分に及さをぶと(脳室新野、出血を遮るものが何もなく、出血量がふえ、脳の圧迫を強めます。意識がすぐ戻るとか、もともと意識障害が軽い場合、感染症などの合併症を起こしていない場合には、

生命の助かる率が高くなります。しかし、片マヒや、言葉が話せない、ろれつが回らないなどの言語障害が後遺症として残り、日常生活が不自由になることが多いでしょう。出血した場所によっては、手術で血腫をとり除くこともありますが、止血薬、降圧薬、脳代謝賦括薬(脳の代謝を活発いする薬)など、内科的治療だけのこともあります。そして、マヒの起こった機能を回復させるため、発作の3週間後ぐらいからリハビリテーションを始めます。

 

大血管疾患 による 高血圧

大血管疾患 による 高血圧

大血管とは、心臓の血管や脳の血管、足の血管のことをいいます。血液は心臓から出て体を循環し、また心臓へ戻ってきます。この間、血液が逆流しないよう、血管のあちこちに「弁」がついています。

動脈血が心臓に逆流する 大動脈弁閉鎖不全症

大血管疾患 による 高血圧

大血管疾患 による 高血圧

心臓から全身に向けて送り出される動脈血は、左心室から大動脈へ流れ出ていきますが、左心室と大動脈の間にも「大動脈弁」というふたがついています。

心臓の収縮によって動脈血が送り出されるときには大動脈弁は開き、心臓が拡張するときには閉じて、血液が心臓に逆流するのを防いでいるのです。

ところが、この大動脈弁が十分に閉舗しなくなると、いったん心臓から出ていった血液が、心臓の拡張するときにまた戻ってきてしまいます。これが大動脈弁閉鎖不全症です。

血液が逆流するようになると、心臓は体のすみずみまて血液を行き渡らせようとして、いままで以上の血液を送り出さなければならなくなります。そのため、血圧が高くなります。

この状態が長くつづくと、左心室の拡大や肥大が起こり、やがては左心室不全に陥ります。

原因としてはリウマチ性の心内膜炎が多く、梅毒や大動脈炎症候群から起こることもあります。心内膜とは、心臓の内壁をおおう膜のことです。聴診器を当てると雑音が聴こえるので、聴診でこの病気が疑われたら、超音波検査をします。

炎症のあるときには、抗生物質などで炎症の治療をし、心不全があるときには強心薬や利尿薬を使います。重症の場合は、人工弁置換術(悪くなった心臓弁を人工的につくった弁でおきかえる手術)を行うこともあります。

腕の血圧が高く、足の血圧が低くなる 大動脈縮窄症

生まれつき大動脈に狭窄のある病気で、ほとんどの場合、子どものころにわかります。

血圧は、狭窄のあるところまでは高く、そこから先は低くなります。そのため、上腕と下肢で血圧を測ると、上腕は高く、下肢は低くなり、足の動脈では脈がふれにくくなります。狭窄のあるところから先へは血液が流れにくくなるので、末端の血行が悪くなり、足の発育不良が起こることもあります。

年齢が進むにつれて、上腕の血圧が高くなるので、脳出血、心不全などを起こすこともあります。血管の狭窄部分に聴診器を当てると雑音が聴こえます。血管造影検査をしたうえで診断されますが、胸部X線撮影、心電図などの検査を定期的に行う必要があります。治療は手術が中心で、狭窄しているところを切除したり、人工血管を使ったりします。

弁膜症の投薬以外の治療について