高血圧降圧剤 飲むことが避けられないのです。血圧が高い患者さんが降圧剤を飲むようになるとまず心配になるのが、「薬の副作用」です。「飲み始めると一生やめられないのでは?」「長く服用していて大丈夫か?」といったこと。降圧剤の副作用についてはこちら。
降圧剤は、他の薬に比べて安全性の高い薬。多少の副作用はあるが、頻度の軽いものがほとんど。命にかかわるような副作用や重篤な内臓障害を起こす副作用はないので安心です。
かりに副作用がでても、その薬をやめれば、症状は落ち着く。降圧剤の副作用は、想像しているもの以上に軽微なもので心配いらなレベルです。
降圧剤の服用で高血圧をコントロールできるメリットのほうが大きいのです。高血圧を抑え、脳卒中や心臓病などの合併症を抑える効果を優先して考えた方が賢いということです。
薬を飲む人、飲まない人では、飲んだ人の方が脳卒中や心不全になる確立が少ないことが確認されています。高血圧による合併症のリスクよりも副作用のリスクのほうが低いということです。
降圧剤の最大の特徴は、服用期間が長くなるということ。風邪薬であれば、短期間だけの服用だが、降圧剤は、長期間になるため薬の正しい知識をしっかり知っておくことが大切です。
降圧剤は、大きく3種類に分類される。まずひとつめは、利尿剤、これは体内のナトリウムを尿と一緒に排出し、血圧を下げます。
ふたつめは、交感神経抑制剤。交感神経が興奮すると、心臓が強く収縮して脈が速くなり、血圧が上昇するためです。
怒ったときや緊張した際に血圧が上がるのは、交感神経が悪さをしているため。したがって交感神経の働きを抑制抑制し、血圧を安定させるという作用です。
みっつめは、血管拡張剤。血圧は血管が収縮するせいで上がる仕組みのため血管を広げて血圧を下げる方法です。
また、血管を広げると交感神経が緊張して脈が速くなったり、血管を収縮しようとする反応が起きるなど、問題を抱えていました。
ところが、最近では、カルシウム拮抗剤や変起案酵素阻害剤など新タイプの血管拡張剤ができ、注目を集めています。
これら3種類の降圧剤をいかにうまく使い分けるかということですが、以前は、ほとんどの患者さんに利尿剤を使い、その後、効かない場合は、交感神経抑制剤を使い、次に血管拡張剤を使うという段階的治療が原則でした。
比較的簡単で、専門外の医師でもできる方法だが、現在は、ひとりひとりの患者に合った処方が一般的になっています。
ひとつの薬が効くか効かないかの判断期間は、3~4週間とされています。そこで半年ほどかけて何種類かの薬を試していけば、必ず自分に合う薬が見つかるでしょう。
こうした試行錯誤の中で最適な薬が見つかるでしょう。
高血圧は長いつきあいになるので、主治医とのコミュニケーションを大切にし、主体性をもって自己管理していくことが望ましいのです。