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就寝中に何度も目が覚める人は「夜間持続型高血圧」の可能性大、持続する降圧剤が必要

血管や心臓に与える影響が最悪

早朝高血圧は、2種類に大別できます。それは、早朝に血庄が上昇する「早朝上昇型」と、就寝中にずっと血圧の高い状態が続く「夜間持続型」です。

このうち、特に脳卒中や心筋梗塞が起こりやすいのは、夜間持続型です。

早朝上昇型は血圧の高い時間がそれほど長くありませんが、夜間持続型は、就寝時から起床時まで血圧の高い状態が続きます。そのため、1日24時間のうち、3分の1もの間、血圧の高い状態が続くことになります。

ということは、血管や心臓に与える悪影響がより大きくなり、心肥大や動脈硬化が一段と進行しやすくなります。また、心臓に酸素と栄養を補給している冠動脈に強い負担がかかり、心筋梗塞を招く危険も高まるのです。

このことは、さまざまな研究で明らかにされています。例えば、心肥大の発症率を調べた研究では、夜間持続型のほうが早朝上昇型より多く、心筋梗塞や脳卒中の危険度も高まることが確かめられています。特に、夜間の最大血圧が150mmHG以上の人は、118mmHG未満の人に比べてその危険度が4倍も高くなります。

こうしたことから、夜間持続型の早朝高血圧は、最も危険な高血圧といえるでしょう。

就寝前と起床時に血圧測定する習慣が大事

夜間持続型の早朝高血圧は、早期に発見して対処することが大切です。

夜間持続型の早朝高血圧が疑われるのは、就寝中にたくさん寝汗をかく人や、何度も日が覚めてしまう人です。寝汗をかきやすく寝苦しい夏は、ただでさえ就寝中に何度も日が覚めることが多いので見過ごされがちですが、心配な人はぜひ血圧を測定を習慣化しましょう。
また、正常なのに、起床直後に測定すると最大血圧が140mmHG、最小血圧が90mmHG以上ある人も、夜間持続型を疑います。

夜間持続型の早朝高血圧を見つけるためには、起床時と就寝前に家庭用血圧計で血圧を測定します。就寝時と起床時の最大血圧がともに140mmHG以上であれば、夜間持続型の早朝高血圧と考えられます。

なお、入浴後や飲酒後は血圧が一時的に下がるため、夜の血圧測定は、入浴や飲酒から2時間以上経過してから行うようにします。

降圧剤を服用する時間や回数を調整する

早朝上昇型にせよ夜間持続型にせよ、早朝高血圧が心配なのは、高血圧の自覚のない人ばかりではありません。すでに高血圧の治療を受けている人でも、早朝に血圧が異常に上昇している恐れがあります。

これは、降圧薬の飲み方に問題があると考えられます。現在よく用いられている降圧薬は、通常、1日1回、朝食後に服用するものが多く、午前中から午後2時過ぎにかけて、最も効果を発揮します。そのため、昼間は血圧が低くても、薬の効果が薄れてくる早朝に血圧がひどく上がっている場合があるのです。

こうしたことから、早朝の血圧上昇を防ぐには、降圧薬の服用を見直すのが大切です。まず有効なのは、服用する時間を変えることです。朝、服用していた薬を就寝前に服用するだけで、早朝高血圧を克服できる場合が少なくありません。

また、降庄薬の服用回数を変えることも効果的です。降圧薬の服用量は変えず、1日に2回、あるいは1日に3回に分けて服用するようにするのです。さらに、効果の持続時間が短い薬から、効果の長く続く降庄薬に替える方法もあります。

自分で勝手に薬の服用を変更するのではなく、必ず主治医と相談して行うようにしましょう。

酢は天然の降圧剤ですから、夜、朝ともに飲むといいでしょう。降圧剤と併用しても全く問題ありません。

朝、起きて血圧が高い人は夜の寝汗で脳梗塞の危険性大、就寝前にコップ半分の水が防ぐ

脳卒中、心筋梗塞の危険性はなんと4倍

近年、健康診断や病医院で測った血圧は正常なのに、家庭や職場で測ると血圧の高い人が多く見られます。こうした高血圧を「隠れ高血圧(仮面高血圧ともいう)」といいます。

隠れ高血圧はどうしても本人が気づきにくく、放置されやすいことが危険性を高める大きな理由です。そのため、知らず知らずのうちに血圧の上昇が進み、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞といった命取りの病気を引き起こします。実際に、隠れ高血圧は、従来型の高血圧に比べて脳卒中や心筋梗塞を招く危険の大きいことが確かめられているのです。

こうしたことから、専門医の間でも、隠れ高血圧は今や最大の関心事になっています。

隠れ高血圧は、職場で血圧が上がる「職場高血圧」と、家庭で早朝や深夜に血圧が上がる「早朝高血圧」に大別できます。このうち、特に注意が必要なのは早朝高血圧です。

血圧をコントロールしている自律神経には、心身を活動的にする交感神経と、心身をリラックスさせる副交感神経があります。寝ているときには副交感神経が優位になるため、血圧が低くなりますが、昼間は交感神経が優位になっているため血圧が高くなります。

そして早朝は、体を活動的にするために、副交感神経から交感神経が優位の状態に切り替わり、誰でも血圧が上昇します。このような生理的な血圧の上昇に加え、早朝高血圧が起こっていると、血圧が異常に高くなって脳卒中や心筋梗塞を招く危険が格段に高まるのです。これは、脳卒中や心筋梗塞は朝の6~10時の間に多発することと無関係ではありません。

米国コロンビア大学が行った調査では、脳卒中や心筋梗塞を起こす確率は、正常血圧の人を1とした場合、高血圧の人は3倍、早朝高血圧の人は4倍にも上ると報告されています。

起き抜けに首や肩に疲れのある人は要注意

早朝高血圧の原因として、加齢や多量の飲酒、喫煙、ストレスなどがあげられます。これらのことが原因で血管に負担がかかると、血管内皮細胞に備わつている血圧を調節する働きが弱ってしまい、早朝の血圧上昇が著しくなってしまうのです。

朝の起き抜けに、首や肩に疲れがある人は、早朝高血圧の疑いがあります。

自分が早朝高血圧かどうかを確かめるためには、起床後の1時間以内、排尿をすませたあと、朝食をとる前に、家庭用血圧計で血圧を測ってください。1週間(週に5回以上) 血圧を測って記録し、最大血圧が135mmHG以上(正常は130mmmHG未満)、もしくは最小血圧が85mmHG(正常は85mmHG未満) 以上の、ことが2回以上あれば、早朝高圧が疑われます。記録した血圧の値を持参して病医院を受診し、医師に相談しましょう。

少量の水飲みの習慣が血液をさらさらに

ところで、早朝高血圧の人は、夏、特に脳梗塞に注意する必要があります。なぜなら、夏は就寝中に寝汗をかいて、体が水分不足になってしまうからです。

眠っている間にコップ1杯程度の汗をかくといわれています。それが、真夏の熱帯夜ともなると、大量の汗をかいてより多くの水分が失われてしまいます。そうして体の水分が失われると、血栓ができやすくなり、脳梗塞を起こす危険が一段と高くなるのです。

そうした事態を防ぐためには、夏は就寝前と起床時に、コップ半分(100CC)ずつの水を飲むことが有効です。心肥大や腎臓病のある人は、水分をとりすぎると、たちまちむくみが生じて、かえって血圧を上げてしまいます。必要以上の水を飲むのは逆効果なので、コップ半分を適量と考えてください。
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夏は、冬より血圧が下がるが冷房の温度差や寝苦しさによる不眠が血圧が安定しない

脳梗塞は冬より夏に多発する

血圧は、季節によって高くなったり低くなったりします。血圧が最も高くなる季節は、冬です。冬は、寒さや冷たさの刺激で自律神経のうち心身を活発にする交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上昇します。そのため、冬は脳卒中や心筋梗塞の発症も増加します。

これに対し、気温の高い夏は血管が広がって血圧が低く保たれる傾向があり、一般的には、血圧が管理しやいと考えられています。

しかし、最近は、夏も決して油断すべきでないことがわかってきました。夏は、思わぬことで血圧が上下に激しく変動し、脳卒中や心筋梗塞を招く危険があるのです。実際に、脳梗塞は冬より真に多発することが、国立循環器病センターの調査で明らかになっています。

発汗によるドロドロ血液

真に血圧の変動が激しくなる最大の理由は、冷房です。

夏は冷房の利用により、屋内と屋外の温度差が10度以上に及ぶこともあります。激しい温度差のある場所を行き来すると、自律神経が乱れて血圧が急激に上昇するため、脳梗塞を引き起こす危険が高まるのです。

こうしたことから、冷房の効きすぎた場所では、血圧の急激な上昇を防ぐためにショールやカーディガンを用意して、屋外との温度差をうまく抑えることが大切です。特にスーパーなどはかなり冷えているので、外気温との差に注意します。また、冷房を使うときは、設定温度をやや高めの26~28度にするといいしょう。

夏の血圧の変動で注意すべきなのは、屋内の冷房ばかりではありません。夏は熱帯夜が続き寝苦しい季節でもあるため、睡眠不足になりがちです。睡眠不足が続くと、知らぬまに心身にストレスがたまり、交感神経が優位になって血圧が上昇します。睡眠時間と高血圧の関係を調べた調査では、平均睡眠時間が5時間以下の人は、高血圧になりやすいという結果が得られています。

なお、熱帯夜に冷房をつけたまま眠ると、体が冷えて血管が収締し、夜に下がるはずの血圧が上がってしまいます。そのため、眠るときは冷房を切り、床についたら30分ほど扇風機を使用するのが理想です。
夏のエアコンに注意

さらに、夏は汗をよくかくため、体が水分不足になって血液がドロドロになることも問題です。血液がドロドロになると、血栓ができやすくなり、脳卒中や心筋梗塞の危険が一投と高まります。
ドロドロだけでない!ベタベタ、ギュウギュウ、ギトギト、スカスカ血液はリスクが高い

こうした事態を防ぐためには、ペットボトルの水を持ち歩き、こまめに水分を補給しましょう。特に、高齢の人は、のどの渇きを感じにくくなっているので、最低でも1時間おきに水分をとるようにします。

血圧はリラックスして2回測定

以上のことから、脳卒中や心筋梗塞を防ぐには、夏も自宅で血圧測定を行って血圧の管理に努めるようにしましよう。

血圧を測るときは、イスに座って体の力を抜き、リラックスした状態になり、血圧計のカフを、上腕に直接巻きつけます。カ7と腕の間に指が一本入るくらいの強さで巻くといいでしょう。

カフを巻いた腕はテーブルの上に置き、指は軽く曲げます。カ7の位置を心臓の高さにするのが肝心で、低いときはひじの下に丸めたタオルを置くなどして、高さを調節します。

夏の間は、朝、夜と2回測定するといいでしょう。

血圧が高くてもほとんどが放置してしまうが寿命を16年も縮めてしまう

ほとんどの人が高血圧を軽視している

こちらで紹介したように高血圧は全身にさまざまな合併症を引き起こす恐ろしい病気ですが、治療を受けずに放置している人が非常に多いのが実情です。

実際、推計四4000万人とされる高血圧の方のうち、治療を受けている人は、多く見ても3割程度です。つまり、7割の人は高血圧を放置しているのです。こうした人の中には、自分が高血圧であると気づいていない人もいることでしょう。

ところが、高血圧であることに気づいているにもかかわらず、なんの対策も請じていない人もかなりいるのです。

40代、50代の約4割、30代の7割近くの人が、自分が高血圧であると認識しながら、適切な治療を受けていないのです。

当然のことながら、高血圧の人は減塩や体重管理、運動、節酒、禁煙といった生活習慣の改善が必要になります。しかし、それすら行っていない人がこれだけいるのです。

このように、高血圧を放置してしまう背景には、高血圧の危険性に対する一般の人たちの認識の低さがあるようです。さまざまな生活習慣病に対して日本人がどのように感じているかを調べた「生活習慣病に関する世論調査」によると、高血圧に対して「非常に怖い病気だと思う」と答えた人は53% と約半数にとどまっています。ガンでは89% 、脳卒中では85% 、心筋梗塞では81%、糖尿病では71% であり、これらの病気と比べて、高血圧に対する危機意識はかなり低いことがわかります。

重症化するまで気づかない

こちらを読めば高血圧がどれだけ恐ろしい病気か、すぐにわかります。しかし、この病気のやっかいなところは、自覚症状がほとんどなく、知らぬまに病気が進行してしまうということです。

高血圧の症状には、頭痛、肩こり・のぼせ・息切れ・動悸・耳鳴り・発汗・めまいなどがありますが、こうした症状は高血圧以外の病気が原因で現れることも多く、高血圧による症状と気づきにくいのです。また、血圧が相当高いのに全く無症状の人もいます。そのため、長い間高血圧を放置してしまい、合併症による胸痛やむくみ、吐きけ、けいれんなどの症状が現れたころには、かなり重症の状態だった、ということも多いのです。

高血圧は、別名「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれています。正体を現すことなく、静かに体を蝕みながら、虎祝耽々と命をねらっているからです。そうとは知らずに高血圧を放置しっづけている人は、いつ命を奪われてもおかしくない状態にあるといえます。

血圧が高いと余命が3~4割も減少する

実際に、高血圧が寿命を縮めることを示すデータがあります。血圧と余命(ある年齢の人があと何年生きられるかを算定したもの) について米国・コロンビア大学のピッカリング教授が行った調査によると、高血圧の人の寿命は、そうでない人より短命です。特に若いうちから血圧が高い人ほど寿命は短くなる傾向です。

35歳の男性の余命は平均41.5年ですが、高血圧の人の場合は25年しかなく、16.5年も差があります。つまり、高血圧の人は、そうでない人より16.5年も余命が短く、4割も減少しているのです。

ほかの年齢を見ると、高血圧の人とそうでない人の余命の差は、45歳の場合では11.5年(4割減少)、55歳の場合では6年(3割減少) となり、高血圧が確実に短命にしているのです。

健康で長生きするためには、日ごろから血圧に気を配り、高血圧とわかつたら、いち早く治療を開始することです。

高血圧治療の二本柱は、生活習慣の改善と薬物療法です。一般に、軽症の高血圧で合併症を伴っていない場合には、まず高血圧の原因となる生活習慣の改善から始めます。重症の高血圧で合併症を伴う場合には、降圧薬を服用し、これと併せて生活習慣の改善が不可欠です。降圧薬についてはこちらです。

健診時には正常でも早朝、仕事中、夜間に高くなる隠れ高血圧は心臓の危険度が4倍

自分では気づかないところで血圧が上昇している

自分の血圧をいつ、どこで測定していますか?測定したことがないという人もいるかもしれません。血圧のことなんて気にしたことがない人もいるかもしれません。

測定をするとすれば、おそらく、日中に行われる健康診断や、病院の診察で測定する時でしょう。そして、そのときの測定結果が正常だったからと安心してはいませんか。もし、そのときの血圧が正常だったとしても、あなたが高血圧ではないとはいいきれません。なぜなら、血圧は1日の間に絶えず変動していて、健康診断や病院の診察で測定しただけでは、見逃してしまう高血圧が存在するからです。

本来、血圧は起床とともに上昇し、いったん低くなってから、昼ごろに上昇して比較的高い状態が続きます。そして夕方から就寝するまで下降し、就寝中は低い状態が続きます。途中、細かい上昇・下降はありますが、だいたいこのような大きな変動を毎日くり返しています。

ところが、このパターンに当てはまらない人がいます。

このような人は、高血圧であるにもかかわらず、病院での血圧測定では正常血圧になってしまうため、知らぬまに高血圧を悪化させてしまう危険があります。こうした高血圧のことを、隠された(正常の仮面をつけた)高血圧という意味から、「隠れ高血圧」(仮面高血圧)と呼んでいます。

仕事中も注意

隠れ高血圧には、大きく分けて

  1. 早朝高血圧
  2. 夜間高血圧
  3. 職場高血圧

の3タイプありそれぞれ特徴があります。

早朝高血圧

星間に血圧を測定すると正常なのに、朝、特に起床時に血圧が高いタイプ。早朝は正常な人でも血圧が高くなるが、極端に高くなる場合を早朝高血圧と呼ぶ。血圧の薬を服用している人で、早朝に薬の作用が低下してしまい、血圧が上がる場合もある。

夜間高血圧

本来血圧が下がるはずの睡眠中に下がらず、早朝まで高血圧の状態が続くタイプ。夜間高血圧の人は、本来、血圧の高い日中に加えて、睡眠中も高血圧状態が続くため、血管が常に高い血圧にさらされ、動脈硬化が起こりやすく、脳卒中や心筋梗塞を招く恐れがある。

職場高血圧

健診では正常なのに、仕事中の緊張やストレスが影響して、職場での血圧が高くなるタイプ。正常血圧の人の3~4割が職場高血圧といわれ、40~50mmHGも血圧が上がる場合もある。健康診断では血圧が正常なため、自分が高血圧だと気づいていない人が多く、放置して悪化させる危険性が高い。

最近、このような隠れ高血圧の人が増えつつあり、正常な血圧の人の10~15% 、降圧治療中の高血圧患者で血圧が正常にコントロールできていると思っている人のうち、約30% が隠れ高血圧であるといわれています。

要介護のリスクが12倍にもなる

隠れ高血圧は本人が気づきにくいため、放置されている場合が非常に多いのです。しかし、この病気の本当の恐ろしさは、狭心症や心臓病を起こしやすいというところにあり、長い間放置すれば、突然死の危険もあります。

隠れ高血圧で心臓病を起こす危険性は、一般的な高血圧(持続性高血圧)の人の場合、正常血圧の人の約3倍でしたが、隠れ高血圧の人はそれを上回り、約4倍という結果が出ています。

さらに、75歳以上の高齢者で、朝の血圧が就寝前よりも15mmHG以上高い人の場合、将来、要介護状態になる危険度が正常血圧の人に比べてなんと12倍も高くなることがわかっています。

現在、自分は高血圧とは無縁だと思っている人も、もしかしたらすでに隠れ高血圧に陥っているかもしれません。では、自分が隠れ高血圧かどうかを確かめるにはどうしたらいいのでしょうか。

医療機関での血圧測定は昼間がほとんどなので、隠れ高血圧を発見することは難しくなります。そこで、隠れ高血圧を発見するためには、家庭で血圧を測定する必要があるのです。

60歳以上の6割強が悩む高血圧は脳卒中、心筋梗塞、痴呆を招く原因に

70歳以上になると7割以上が高血圧

現在、日本人の4人に1人が、心臓病か脳卒中で亡くなっていますが、こうした血管病を引き起こす最大の原因が高血圧です。特に高齢の高血圧患者が激増しており、高齢化が急速に進む日本ではとても深刻な問題です。

高血圧の人(最大血庄140mmHG以上、最小血圧90mmHG以上) は推計で約4000万人に上り、いつ高血圧になってもおかしくない予備軍の人も合わせると約5500万人に達すると報告されています。年代別では60代の約6割、70歳以上の約7割が高血圧であり、今や高血圧は国民病となってしまいました。

ところが、患者数の多さとは裏腹に、高血圧がどんな病気で、どれだけ危険なのかは、あまり知られていません。そこで、まず、高血圧とはどのような病気なのでしょうか?

加齢により血管が老化し、高血圧の原因になる

私たちの体内では、心臓がポンプのように収縮と拡張をくり返し、血液を全身に送っています。このとき、心臓から送り出された血液が、血管壁に与える圧力のことを血圧といいます。

この血圧が基準値を超えて上昇してしまうと、高血圧と診断されるのです。

ではなぜ、血圧が高くなってしまうのでしょうか。直接的な原因は2つあります。

1つは、「心拍出量の増加」です。心拍出量とは、心臓から送り出される血液の量のことで、この量が多ければ多いほど、血管壁にかかる圧力(血圧) が高くなります。

もう1つは、「末梢血管抵抗の増大」です。これは、末梢血管(全身に張りめぐらされた細い血管) における血液の流れにくさを指します。

加齢によりと誰でも血管が老化します。具体的にいうと、血管壁の弾力が失われて硬くもろい状態になります。また、血管壁にコレステロールがたまって厚くなり、血液の通り道が狭くなることもあります。これを動脈硬化といいますが、このような状態になると末梢血管の血液の流れが悪くなってしまいます。すると、心臓はより強い力をかけて血液を送り出すため、血管壁が強く圧迫され、血圧が高くなるのです。

そして、血圧の高い状態が続くと、血管壁が損傷を受けて、動脈硬化がさらに進んでしまいます。つまり、動脈硬化が進むと血圧が高くなり、血圧が高くなると動脈硬化に拍車がかかるといったぐあいに、両者は悪循環をくり返しながら悪化していくのです。

血管が狭くもろくなると脳梗塞の原因になる

こうした高血圧による動脈硬化は全身の血管で起こり、さまざまな合併症を引き起こしますが、特に危険なのが心臓と脳で起こる合併症です。

動脈硬化によって血管が狭くなると、血流が悪くなります。心臓を養う冠動脈に動脈硬化が起こって心臓が血流不足になれば、狭心症を引き起こします。同様に脳の血流が悪くなれば、老人性の認知症(ボケ)のような状態をもたらします。

動脈硬化で硬く狭くなった血管では、血流が滞りやすいため、その場所に血栓ができやすくなります。この血栓が冠動脈につまって血流が途絶えれば心筋梗塞を引き起こし、脳の血管でつまれば脳梗塞を招きます。

さらに、もろくなた血管は破れやすく、高血圧で脳の細い血管が破れ、脳出血を起こすことも少なくありません。

高血圧による影響は腎臓や目にも現れます。高血圧によって腎臓の細かい血管に動脈硬化が起これば、血液をろ過しにくくなり、腎臓が硬く小さくなります。この状態を放置すれば、やがて腎臓の機能の大半が失われ、人工透析も必要になる腎不全に陥ってしまいます。

また、目の奥にある網膜の血管も、高血圧による動脈硬化でもろくなり、破れて眼底出血が起こり、最悪の場合、失明にいたることもあります。このように、高血圧には合併症による深刻な危険がつきまとっています。それにもかかわらず、治療を受けずに放置して、寿命を締めている人が多いのです。